山仕事と、ちょっと介護生活

かみさんが要介護になっちゃって。サラリーマン辞めて、ちょっと介護しながら山仕事生活してます。

生きて、帰ってきました その2

昨日のアップの続き。

次の話。

とその前に。

昨日の書き忘れ。刃を入れた時の思いを先に。

 

まず。

相棒の550XP MARKⅡのエンジンを掛けた時。物凄く不安になった。

でも。逃げられない。後は勢いと勇気だけ。まず、受け口を掘らなきゃ。

念入りにガンマークを確認。方向を10回くらい確認。決まった。この角度。

刃を入れる。入れて気付いた。

ヤバい。ヤバいぞこれ。バーが届かない。いけそうな高さを狙って無理して高めに掘り出したけど。これでもやばい。明らかに腕に力が入っちゃった。

受けが、水平に切れてない。だっせぇ。初心者か俺は。敢えて浅めに掘って、それから追加でギリギリまで届くところまで掘って。それでもまだ、浅い。掘りたかったけど、厳しい。これ以上掘ると、芯抜くために突っ込めない。突っ込まないと、追い口が届かないから倒れない。ギリギリ掘れる受け口を作り、突っ込めるだけ突っ込んで、芯の近くまで突っ込む。でも、届いて無い感あり。

ちょっとチルを引いてもらう。

動く。

いける。と思った。

チルホールのハンドルを持つ相方に、追い口を入れる合図を送り、追い始める。

まず片方。半分までいかないくらいまで刃を入れて。クサビを打ち込む。

もう片方。同じくらいまで刃を入れて。クサビを打ち込む。

あー。マジか。思ってたより届かない。芯は抜いたけど。ヤバい。チルで引き切るしかない。つか、引けるのか?ワイヤーの位置も低いのに。でももう後には引けない。

ちょっとチルを引いてもらい。ツルを目標の幅まで刃を入れる。

引けるだけ引いて。クサビをさらに打ち込む。

後は、引くだけ。

相方はもう引けないって言いだした。

で、もう刃は入れられないので、俺もチルに向かい、二人で引く。

引ける。頼む。このまま行ってくれ。

と思ったところで、いきなり風が。伐倒方向と逆風が。

 

グニャッ

 

知らない相方はそれでも引こうとする。

それを俺が止める。

ピンが。ピンが折れた。だめだ。引けない。

ダメだった。

あー。

どうしよう。

そして。とっさに浮かんだのが比較的近くの、去年お世話になった会社を思い出した。

 

この辺かな。昨日のブログに続く(*^^*)

 

あー。もう一度言っときますが。

無事倒れましたから!(^^)!


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はい、ここから次の日(^^)/

 

朝イチで、チルを買った農機具屋に向かう。つか開店1時間前に店に張り込む。

早く来た店員さんに、訳を話し、ソッコーで修理にかかってもらう。

やっぱ、メーカーが言うように、現場で簡単にピンを替えるなんて無理だった。

プーリー使ってこじ開けて。よくわからないけど焼き入れたとか言ってた。

とりあえず修理が終わり。相方と作戦会議。

S-15、もう1台どうする?

要は、今日引いてみてダメだったら。もっと上に掛けて引くしかないよな。

それでもダメだったら。もっともっと上に掛けて引くしかないよな。

で。後は、どうやって買うんだ?はいはい。俺が買いますよ。

で。付属のワイヤーは20m。絶対に足りないのでワイヤーもう1本。

これで、現場が終わってもなーんにも残りません"(-""-)"

仕方ないです。死なずに帰るために。事故を起こさずに帰るために。

保険はいくらでもかけたい。

大奮発してチルホールを買い。現場に向かう。

昨晩の強風に耐え、モミは立ってました。

まず。思ってたことを言う。お前なんで道具揃えといて登れないんだよ?

助っ人さん登れただろうがよ。もっかいやってみろよ。

で。

やってみるも、地上から2mくらいで「キツイっす」

この野郎。少しは気合で何とかしろっての。器具の使い方も理解できてなくて。俺のほうが理解できてる。ま、俺は5年前とはいえ、一度研修受けたし。

ここで。来ましたよ。へたれゆとり世代の定番言葉「じゃぁやってみてくださいよ」

はいはい。来たよ。

ってことで。やりましたよ。

ちょっと、利き足のあるアイテムがあったんで。俺、左なんで。

それでも、やりましたよ。

そして。そこそこできましたよ。

こうなると、なんも言えなくなっちゃうと思いつつ。

笑ってるだけ

もうやだ。

でも、やらせましたよ。登らせましたよ。

ほら見ろ。ケツ蹴ったらできるんじゃねぇか。

そして、昨日かけてもらったところから修理したチルを掛けて。

せっかく買ったので、ちょっと低めにも掛けて。

引いてみる。

よし。引ける。受けが開いてる。

と思ったら、

動かなくなり。低めに掛けたチルを引く。引ける。止まる。今度は上のチルを引く。

を、繰り返す。

行けるぞ。

が。しかし。チルホールを掛けて引くときは、滑車を使い、角度を変え、倒した木が来ない方向で引かなきゃいけない。んだけど、ワイヤーの長さの関係で、滑車を使えず。つか、掛ける木がない。ので、倒れるまで引き続けると、死ぬ。

 

あのね。引いた事無いとわかんないと思うけど。引くのに夢中になると、木を見ずに引いたり、山だからね、焦ると逃げるときに転んだりとかね、あるのよ。

で、チルを2台引いてるから。相方が、「おれもひきますよ」って言ったけど。

あのね。相方のお子がね。まだ1歳?だったかな?

これがねー(^^)/かーわいいーのよ( *´艸`)

どうしてもね。チルも引いたことがないド素人が、咄嗟に逃げ遅れたら。何かトラブルがあって逃げ遅れたら。

ちょっと引かせたけど。平気で木に背中向けて引いたり、わざわざ倒れてくる方で引いたり。とても引かせられないじゃん。

だから、「お前には引かせられねぇよ。死ぬときゃ俺だけだ」

ウチならさ、もう高校生と中学生だし。状況は把握できるだろうし。

ということで。

一人で引き切りました。

時間の感覚はなかったんだけど。ガッツリ傾いて、もう何時倒れてもおかしくない角度まで20分くらい引いてたらしい。

で。もうちょっとで、もう倒れそうってなってから、4分引いてたらしい。

後で見たけど。

相方、動画撮ってました

凄いよね。この緊張感の無さ。もう尊敬に値するわ。

で。かなり無酸素でフルパワーで引き続け。

最後、急に引くのが軽くなるんだけど。

おそらく無酸素で、酸欠でしょう。俺、記憶がありません。つか、倒れる1分くらい前から意識飛んでます。

 

そして、なんかすげぇ音がして。目の前の胸高で50センチくらいあるケヤキがバキバキ折れてるのが見えて。次、空が見えました。

 

あー

 

どこも痛くない。

 

でも、体が、手足が無いみたい。

おれ、死んだのかなー

 

あ。相方の声が聞こえる。

何言ってるかわかんねぇ。

 

ドクン。

心臓がバクバク言ってる。

あ、呼吸がすげぇ早い。言葉が出ない。過呼吸かな。苦しい。

 

あ、ケータイが鳴った。

左手が動いた。出た。昨日お世話になった会社の社長の声だ。

「もしもし」声が出た。

「たった今、倒れました」

電話の先から、うおーって、歓声みたいな声が聞こえた。

何かを話した。電話を切った。あ、手足、あるわ。感覚あるわ。俺、死んでねぇわ。

でも呼吸がまだ落ち着かなくて。感覚が戻ってきた。相方が来た。ごめん。動けねぇ。次のことやらなきゃ。でも、動けねぇ。ダメだ。相方の声。「寝ててください」すまねぇ。甘える。その後数分寝てたみたい。

 

目が覚めて、何とか起き上がったけど、眩暈が凄くて。立ってみたけど、立ち眩みが凄くて。何回か倒れて。

あ、倒れてる。間違いない。次のことしなきゃ。片付けだ。でも、まっすぐ歩けない。

もっかいちょっと休もう。と、その辺フラフラして。

フラフラ片付けようかと思ったら。俺が倒れてる間、黙々と片付けてたみたいで。ほぼ終わってました。

 

よかった( ;∀;)

無事倒れたんだ。何も壊さず。誰もけがせず。改めて確認して。一気に緊張が解けた。

相方と話す。「凄かったっすよ!こんなのYoutubeでしか見たことねぇっすよ」

もう、怒る気もしねぇ。もう、仕方ねぇ。とりあえず、先のことは後で考えよう。

だいぶ落ち着き、変える準備して。改めて伐った後とかを確認。反省のために。


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追いが届かなかった分を突っ込んで切り離したつもりが。やっぱりまだ繋がってた。

しかも、突っ込みズレてる。

でもまぁ、今の俺のいっぱいいっぱいかな。

切れ目を測ると、90㎝超え。俺のバーだと86㎝が限界だから。

んー。でも。倒れてよかった。

 

後で、動画を見ました。4分の動画。

倒れる数秒前、「お前は逃げろよ」って叫びながら引いてる。

そして、倒れだしたとき、結構冷静に倒れる木を見て、思いのほか冷静にちゃんと逃げてるぞ俺。

なんも覚えてねぇけどな( *´艸`)

 

今後、反省するところは盛沢山あります。

考えることも沢山あります。

講習とかに参加しなきゃなことも沢山あります。

 

でも今は。とりあえず無事に帰れたこと、作業を完了できたことを、良かったとしたいと思います。

 

あー

とんでもなく長くなっちゃった

 

また次の仕事探します。

また頑張ります。

 

 

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